家族葬・一日葬・火葬式の違いは?初めての喪主のための選び方

葬儀について調べ始めると、「家族葬」「一日葬」「火葬式」という言葉を目にすることがあります。

初めて喪主になる方の中には、「家族葬と一日葬は何が違うの?」「できるだけ費用を抑えたいけれど、火葬式で後悔しない?」「どの形式が自分たちの家族に合っているの?」と迷う方もいるでしょう。

葬儀形式を選ぶときに大切なのは、金額だけで比較することではありません。

誰に参列してもらいたいのか、どのくらいお別れの時間を取りたいのか、宗教儀式をどこまで行いたいのかによって、適した形式は変わります。

この記事では、家族葬・一日葬・火葬式の違いと、初めて喪主になる方が葬儀形式を決める前に確認したいことを分かりやすく解説します。

筆者 中島 義暁

株式会社美創 代表取締役 中島 義暁
川越市・日高市に根差した地域密着型の葬儀社。1975年の創業以来、美術事業で培った高い技術力と審美眼を活かし、故人様らしさを大切にした温かみのある祭壇設営・空間演出に定評があります。

約30年前の葬祭業参入後は、川越市民聖苑葬儀や日高市民葬などの公的葬儀制度にも対応。厚生労働省認定の葬祭ディレクターや熟練の納棺師が在籍し、家族葬からアフターケアまで一貫してサポートいたします。本コラムでは葬儀のプロの視点から、費用やマナー、事前準備のポイントなど、後悔しないための葬儀知識を分かりやすく解説します。

目次

まず確認|家族葬・一日葬・火葬式の違い

大まかな違いを整理すると、次のようになります。

葬儀形式主な特徴通夜葬儀・告別式火葬
家族葬家族・親族・親しい方を中心に見送る行う場合が多い行う行う
一日葬通夜を行わず、葬儀・告別式と火葬を1日で行う行わない行う行う
火葬式・直葬通夜や葬儀・告別式を行わず、火葬を中心に見送る行わない原則行わない行う

一般的には上記のように整理できますが、実際の内容は葬儀社や宗教・地域、ご家族の希望によって異なることがあります。

形式の名前だけで判断せず、「そのプランでは、どこまでのお別れができるのか」を確認しましょう。

家族葬とは|親しい方を中心にゆっくり見送る葬儀

家族葬は、家族や親族、故人と親しかった友人など、参列する方をある程度限定して行う葬儀です。

「家族葬」という名前ですが、必ずしも家族だけで行うという意味ではありません。

誰に参列してもらうかは、故人との関係やご家族の希望をもとに考えます。

家族葬が合いやすいケース

  • 家族・親族を中心にゆっくり見送りたい
  • 故人と親しかった方には参列してもらいたい
  • 通夜と葬儀・告別式を行いたい
  • 一般の参列者への対応をある程度抑えたい
  • 故人と過ごす時間を大切にしたい

家族葬だから必ず費用が安くなるとは限りません

「家族葬=安い葬儀」と考える方もいますが、費用は参列人数だけで決まるものではありません。

棺、祭壇、搬送、安置、式場など、参列者数にかかわらず必要になる費用もあります。

一方で、料理や返礼品など、人数によって変わりやすい費用もあります。

そのため、「家族葬はいくらですか?」だけではなく、「自分たちの希望を含めると総額でどのくらいになりますか?」と確認することが大切です。

一日葬とは|通夜を行わず1日で見送る葬儀

一日葬は、一般的に通夜を行わず、葬儀・告別式と火葬を1日で行う形式です。

通夜を行わないため、葬儀にかかる日数を短くできることがあります。

一日葬が合いやすいケース

  • 通夜を行わず、葬儀・告別式は行いたい
  • 高齢の親族への負担を考えたい
  • 遠方から参列する方が多く、2日間の参列が難しい
  • 家族中心で比較的小規模に見送りたい

一日葬だから「すべてが半分」になるわけではありません

通夜を行わないからといって、すべての費用が2日間の葬儀の半額になるとは限りません。

棺、搬送、安置、火葬など、通夜の有無にかかわらず必要になるものがあるためです。

また、式場の利用方法などによって費用が変わる場合もあります。

見積もりでは、次の点を確認しましょう。

  • 通夜を行わないことで減る費用
  • 一日葬でも必要な費用
  • 式場をどのように利用するか

一日葬を決める前に、菩提寺がある場合は相談する

菩提寺がある場合は、葬儀形式を決定する前にお寺へ相談しておくと安心です。

宗派や寺院によって、葬儀や供養についての考え方、必要な儀式が異なる場合があります。

「一日葬にしたい」と決めてから伝えるのではなく、「一日葬を検討していますが、問題ないでしょうか」と先に相談すると、その後の行き違いを防ぎやすくなります。

火葬式・直葬とは|火葬を中心に見送る形式

火葬式・直葬は、一般的に通夜や葬儀・告別式を行わず、火葬を中心に故人を見送る形式です。

ただし、「亡くなったらすぐに火葬する」という意味ではありません。

火葬までの間は、故人をどこかに安置する必要があります。

火葬式が合いやすいケース

  • 通夜・葬儀という儀式を希望していない
  • 故人本人が簡素な見送りを希望していた
  • 参列する家族がごく少人数
  • 宗教儀式を行わない予定
  • 葬儀費用をできるだけ抑えたい

火葬式では「お別れの時間」を確認することが大切

火葬式を検討するときに、費用と同じくらい確認したいのが、故人とのお別れの時間です。

  • 火葬まで故人と面会できるか
  • 面会できる時間は決まっているか
  • 火葬前に棺へ花を手向けられるか
  • ご家族で過ごせる場所があるか
  • 火葬当日はどのくらいお別れの時間があるか

「思っていたより故人と過ごす時間が短かった」とならないよう、依頼前に確認しておきましょう。

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3つの形式を「費用」だけで選ばないための5つの比較ポイント

1.誰に参列してもらいたいか

まず考えたいのが参列者です。

  • 家族だけ
  • 家族と親族
  • 親しい友人
  • 仕事関係者
  • 地域の方

故人と最後にお別れしてほしい方を整理します。

「家族葬」という名前から決めるのではなく、先に参列範囲を考える方が自然です。

2.どのくらいお別れの時間を取りたいか

「できるだけ長く故人のそばにいたい」というご家族もいれば、「儀式は簡素にしたい」というご家族もいます。

  • 通夜を行いたい
  • 葬儀・告別式は行いたい
  • 火葬前に家族だけでお別れできればよい

ご家族が必要と感じる時間を考えましょう。

3.宗教儀式をどうするか

菩提寺がある場合や、故人・ご家族が大切にしている宗教・宗派がある場合は、葬儀形式を決定する前に確認します。

宗旨・宗派や寺院によって儀式の考え方が異なる場合があるため、葬儀社だけでなく菩提寺などにも相談しましょう。

4.参列する方の負担

高齢の親族や遠方から来る方がいる場合は、次の点も判断材料になります。

  • 2日間参列できるか
  • 移動に無理がないか
  • 宿泊が必要か

5.予算

予算も重要な判断材料です。

ただし、「一番安い形式はどれか」ではなく、「希望するお別れをするために総額でいくら必要か」という考え方で比較しましょう。

迷ったら、形式を決める前にこの4つだけ整理する

初めて葬儀を経験する場合、家族葬・一日葬・火葬式の細かな違いをすべて理解してから葬儀社へ相談する必要はありません。

  1. 誰に参列してもらいたいか
  2. 通夜を行いたいか
  3. どのくらい故人とお別れする時間を取りたいか
  4. 予算をどのくらいにしたいか

この4つを葬儀社へ伝えれば、希望に合った形式を相談しやすくなります。

「どれが一般的ですか?」より「自分たちにはどれが合いますか?」と聞く

葬儀社との打ち合わせでは、「普通はどれですか?」と聞きたくなるかもしれません。

ただ、ご家族によって状況は異なります。

  • 「家族と親族で15人ほどです」
  • 「通夜をするか迷っています」
  • 「故人と過ごす時間は取りたいです」
  • 「費用はこのくらいで考えています」
  • 「菩提寺があります」

と状況を伝えたうえで、「この希望なら、どの形式が合いますか?」と相談する方が具体的な提案を受けやすくなります。

葬儀社へ確認したい質問

  • この形式では、故人とはいつ面会できますか?
  • 火葬前にどのくらいお別れの時間がありますか?
  • この見積もりには何が含まれていますか?
  • 安置が長くなった場合はいくら追加になりますか?
  • 通夜を行わない場合、何が変わりますか?
  • 家族葬の場合、参列人数に制限はありますか?
  • 一日葬を希望する場合、菩提寺への確認は必要ですか?
  • 火葬式でも宗教者をお願いできますか?
  • 別の形式へ変更した場合、費用はいくら変わりますか?

分からない言葉が出てきた場合は、そのままにせず説明してもらって構いません。

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よくある質問

家族葬は家族だけで行わなければいけませんか?

必ずしも家族だけとは限りません。家族・親族のほか、故人と特に親しかった友人などに参列してもらう場合もあります。

家族葬なら必ず安くなりますか?

必ずしもそうとは限りません。

料理や返礼品のように人数で変わる費用は抑えられる可能性がありますが、棺・搬送・安置・式場などの費用は別に確認する必要があります。

プラン料金だけではなく、総額で比較しましょう。

一日葬なら費用は半分になりますか?

一概にはいえません。

通夜を行わなくても、搬送・安置・棺・火葬など必要なものがあります。式場の利用条件によっても異なるため、見積もりで確認してください。

火葬式でも故人とお別れできますか?

葬儀社や安置施設、火葬場の条件によって異なります。

面会や火葬前のお別れの時間がどの程度あるのかを、依頼前に確認しておくことが大切です。

まだ形式を決めていなくても葬儀社へ相談できますか?

相談できます。

「家族葬か一日葬で迷っている」「どの形式が合うのか分からない」と、そのまま伝えて構いません。

決まっていることと、まだ迷っていることを分けて伝えましょう。

まとめ|葬儀形式より先に「どのように見送りたいか」を考える

家族葬・一日葬・火葬式には、それぞれ違いがあります。

  • 家族葬:家族・親族・親しい方を中心に見送る
  • 一日葬:通夜を行わず、葬儀・告別式と火葬を1日で行う
  • 火葬式:通夜・葬儀式を行わず、火葬を中心に見送る

ただし、どれが一番良いという答えはありません。

大切なのは、誰と見送りたいか、どのくらい故人と過ごしたいか、宗教儀式をどうするか、どのくらいの予算で考えるかをご家族で整理することです。

まだ何も決まっていなくても問題ありません。

「どの形式を選べばよいか分からない」と葬儀社へ相談し、ご家族が大切にしたいことから一つずつ整理していきましょう。

監修者 髙橋 亮

株式会社ディライト 代表取締役 髙橋亮

葬儀業界が抱える人材不足と集客という2つの課題に対応すべく、葬儀業界専門の人材派遣や集客支援を2007年より行う。
中でも葬儀社比較サイト「葬儀の口コミ」は、公平性を担保した評価システムを採用し、業界最大級の利用者数を有するプラットフォームとして高く評価されている。

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